第二章

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   朔夜が酷い目に遭った、と愚痴を零すほどのやんちゃさんの集まりなのに、僕の手に負えるわけないじゃない。いいぞ朔夜、そのまま追い返せ。王道の為とはいえ心の準備が出来ていない。キャラ的に、咄嗟のトラブルの対処は出来るだけ避けたいのである。ボロが出るかもしれないから。 「ん? なんだアイツら。なんであんな大人数で整列してんだ?」  黙れ! 頼むから今だけは黙ってくれ!  アルティメットムードブレイカー社君が焼きそばパンを頬張りながらも反応を示したことで、雨宮親衛隊長の口がイヤァな感じにつり上がった。 「初めまして、だねぇ社絢斗君。今日は君にお話があって来たんだけど……ちょっと時間貰えないかなぁ?」 「俺に? うん、分か」 「分かってたまるかってんですよ。二つ返事で了承しないで下さい」  ちょっと我慢出来なかった。後ろから社君の口を塞ぐ形で社君が了承するのを阻止した。今、口で!? って思った人は腕立て腹筋三十回ね。君達は間違いなく同士だが、僕には男の唇を自身の唇で塞ぐ趣味はない。そういう趣味の男を陰ながら見守るのが趣味なんです。そこは勘違いしないで頂きたい。 「一条湊。君にも話があるんだけどなぁ。社絢斗とセットでさぁ」  
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