第二章

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   ちょっと待て。確かに人を信じることはプライスレスなのかもしれないが、社君の身を按じての言葉をこうもばっさりぶった切られると僕の立つ瀬という物がですね。 「それにちょっと話すだけだろ? 何がそれだけに留まらないのか分かんないけど、あんなに沢山人がいるんだ。皆友達になれたらきっと楽しいって!」  まるで駄目だコイツ。僕は頭を抱えた。 「別に俺はテメェをぶん殴って黙らせてやってもいいんだ。手ぇ出してねぇことに感謝しろよ?」 「はん、弱い犬ほどよく吠える、ってね。昔の人はいいこと言ったもんだよねぇ? そう思わない?」 「湊、帰って来い。もう俺では無理だ」  朔夜から救援要請が。何だ、こっちはこっちで大変なことになってるっぽいなおい。黒瀬君と雨宮親衛隊長目怖すぎマジで。良い子は見ちゃ駄目よって幼児達に注意したくなるレベル。  太陽も思わず「すみません太陽だからって調子乗ってたっすマジすみません」とか言いながら土下座するんじゃないかってほどバイタリティー満ち溢れた笑顔の社君とは対照的に、振り返るとそこはブリザード吹き荒れる極地だった。鬼も泣いて逃げ出しそうな気迫。コイツら人間か。ついでに言うとそんな殺気の中でいつもと変わらず面倒くさそうな表情を浮かべている朔夜も本当に人間ですか。  
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