第二章

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   そんな気はしていた。社君と出会って王道を楽しもうと決意した昨日の朝から、何となく分かってはいたよ。それに朔夜と黒瀬君にも心の中で言った。王道は荊の道だと。覚悟も決めたつもりでいた。僕は誰よりも王道を分かっていたつもりで、でもそれは所詮つもりでしかなかったんだと思い知らされた。薔薇色の未来に刺は付き物である。心折れそう。帰りたいわ。 「うし、ちゃっちゃと話終わらせて残りの焼きそばパン食べよっと! あ、そうだ。なぁ湊、話が終わったらアイツらも誘ってみんなで食おうぜ?」 「ええ、それはもう。是非勝手になさって下さい。僕は帰りますから」  これから社君と二人で、ぱっと見二十人はいる敵の中へ突っ込まなくてはならないのだ。まさに四面楚歌。絶体絶命とも言う。帰りたい。切実に。 「おーい、お前、そこのお前。話って何だ?」  とことこと可愛らしい小走りでブリザードに単騎特攻して行った社君。君、ちょっと君。空気読め。僕でも読めるわ。  雨宮親衛隊長は社君の言葉を確認し口角を吊り上げているし、黒瀬君はえ、マジかコイツみたいな顔をして呆気に取られていた。分かる、分かるよ黒瀬君。僕もさっき君と同じ思いをした。寮で同室らしいけど、よく二人きりで生活出来るね。僕だったら一晩で家出(寮出?)する自信あるわ。  
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