第二章

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   唐突にアクションを見せた社君に、雨宮親衛隊長の顔があからさまに曇った。 「……俺のせいで会長に怪我させちまったのは悪かったと思ってる」 「はっ、漸く反省したの? でも僕は君を許す気はこれっぽっちも──」 「でも、お前らに警告なんてされる筋合いはない」  確実に空気が凍てついた。エターナルフォースブリザード! ……もう帰りたいよ。 「……君、自分が置かれてる状況分かってる?」 「分かんない。黎司が友達になってくんないってことしか分かってねーけど、でもそのくらい分かる。だって俺、会長には怪我させたけど黎司には怪我させてねーもん。それに何で俺は会長に近付いちゃいけねーの? ま、近付く気はねーけどさ」 「簡単なことじゃない。君は会長に相応しくないからだよ。何なのその格好。人間かどうかも怪しい君なんかに近付かれたら、会長が可哀想じゃないか。君は会長にとって害にしかなり得ない。会長に近付く害虫を駆除するのが僕達の仕事だ」 「それがおかしいって言ってんだって。会長の人間関係は会長自身の問題だろ? 何で他人の黎司が会長の人付き合いに口出しすんだよ」  僕も思ったけど、それ言っちゃったら親衛隊の存在意義が無くなってしまうだろう。どうやら王道を突っ走る社君は、親衛隊と衝突したくて仕方ないと見える。これ以上刺激しちゃうと、警告から制裁に方針が移行してしまう可能性が出てきちゃいますね。物騒極まりない。  
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