第二章

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   どうしてこうなった。  帝は激しい目眩に襲われて立っていられなくなった。何でこうなってん。まさしくそんな心境。  それはそれは、酷い以外に言葉を挙げられない惨状だった。  生徒会と風紀の特権であるマスターキーで、いつものように屋上へ続く扉を開けた所までは良かった。開けた瞬間に、青い頭をした大男が飛んで来るまでは、いつもとなんら変わりなかったのに。何で人が飛んできてん。人類が空に憧憬を抱き続けた結果か。帝は混乱した。  何事かと、飛んできた男を叩き落として目を凝らすと、例の白くて小さい二匹が暴れていた。 「何が起きているんだ」  返答が無いことなんて分かりきっているのに、それでも花とは違う鮮やかな色彩が飛び交う虚空に問い掛けてしまう程、とにかく神薙木は混乱していた。何で憩いの場で人が宙を舞っているんだ。状況が全く読み込めない。  元凶と思われる白くて小さい二匹は、先程飛んできた青い頭の男もカウントすると合計七人の男達に取り囲まれているが、男達が突っ込む度に吹っ飛ばされているのでどうやら劣勢というわけではないらしい。むしろ劣勢は毒々しい色彩の頭の男達か。顔面の造形が著しい変貌を遂げていく。目も当てられない。帝は男達の冥福を無意識の内に祈った。  
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