5558人が本棚に入れています
本棚に追加
俺がした最低の行為を許してくれた意地っぱりで暖かい亜弓が、やっとこの手の中に…。
亜弓がいれば俺は最強な気さえする。
いや、最強にならなくちゃいけないんだ。
この手の中にあるものを守る為に。
…海斗もそう思ったのだろうか。
俺は兄貴なのに、海斗のようになりたいと思った。
妻を、子供達を全力で守れる強い男に。
むしろ…海斗を抜くくらいに。
「ちょっと~!!イチャイチャ禁止です!!わぁぁん!海斗寂しいよ~!!」
泣き真似を始めた遊里をよそに、俺は強く亜弓の手を握りしめた。
「…俺はこの手の中にあるものを…絶対幸せにするよ。」
「…うん…私も。」
キスがしたい衝動に駆られたが必死に我慢する。
ここでキスなんかしたら遊里が本気でいじける。
「明日、海斗にも報告に行こう。」
耳元で囁くと亜弓が頬を赤くしながら微笑んだ。
その前に、とりあえずは車に戻って激しいキスを。
END
最初のコメントを投稿しよう!