――恋文――

2/2
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「字ぃ上手く書けへん~‥‥あ‥しまった。紙シワシワになったやん~。また新しいので書かないと‥」 あたしは手が震え、掌には汗を書いていた。 「‥はぁ‥‥めっちゃドキドキする…」 そう。 あたしは明日、告白する。 ニ個上の先輩で、優しくて格好良くて。まさに、青春少女漫画に出てくるヒーロー役のような人だ。 なんであんなにかっこええんやろ‥ っていうくらい、あたしにとってはキラキラした存在。 どこにでもありふれている話やけど、私にとっては人生のビッグイベント。清水の舞台から飛び降りる覚悟もしております。 実際したら死んでまうけどな(笑) あぁ、初めての告白。 心臓‥大丈夫かな? 「‥よし!やっと書けた!」 ラブレターを書くことに、何日かかったことだろう。使った紙は数知れず、無数の折れたシャーシンはどこにいったのやら。 あたしは全神経を指先に集中した。シンプルで可愛い封筒へ、ゆっくり、慎重に、手紙をいれる。 「よっしゃあ!!明日下駄箱いれる!いれるんや!絶対いれるねん!‥いれるでぇっ‥!‥‥い…いれれるかなぁ‥あぁ‥緊張するぅ‥」        
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!