その四「RPG」

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「なぁ、聞いたか?」  そう言ったのはコボルトだ。 「何の事だべぇ?」 「シャーマンの野郎、来月付けで魔王様の四天王に昇格だってよ」 「何じゃてっ!」  ジャムの体がハリネズミのように尖った。 「あいつ、ただ岸壁で昼寝してるだけだぜ。よっぽどの物好きか、道を急いでいる冒険者しか海は渡らねぇからなぁ、倒される回数も少ないし成績が上がるのも無理はねぇ」 「だけんども、そんなレベルで四天王に成れたとしても、レベルが上がった冒険者にコテンパンにされちまうだけだべぇ」 「そうだなぁ」  コボルトは大きく突き出た腹を掻いた。 「なぁ、聞いたか?」  そう言ったのは、またもコボルトだ。 「アホの国王がよぉ、転職でクラスチェンジできるレベルを引き下げたらしいんだわ」 「それならワシも聞いたぞ。しかし、相変わらず『勇者』の志望倍率が高いらしいだべぇ」 「不況だからなぁ……」  てな事を話していると、砂利道の果てから、四人の人間が向かって来た。 「ほら来た」  しゃくれた顎を突き出すコボルト。 「新人だべぇな」  肌の色を褐色へと変えてゆくジャム 「これが俺たちの仕事だ。冒険者を調子付かせて、後に待ってるモンスターに返り討ちに会わせる」 「んだぁ、それがワシらに与えられた仕事だべぇ」 「じゃぁ、行きますか」 「んだぁ」  ――モンスターが現れた―― 「冒険者1の攻撃……コボルトに2のダメージ」 「冒険者2の攻撃……コボルトに3のダメージ」 「冒険者3の攻撃……ジャムに4のダメージ」 「冒険者4の攻撃……ジャムに1のダメージ」 「コボルトの攻撃……冒険者1に3のダメージ」 「ジャムの攻撃……冒険者3に1のダメージ」 「冒険者1の会心の一撃! コボルトに15のダメージ」 「コボルトを倒した」 「冒険者2は バーンを唱えた……ジャムに23のダメージ」 「ジャムを倒した」 「モンスターを退治した」                       げーむおーばー
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