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「なぁ、聞いたか?」
そう言ったのはコボルトだ。
「何の事だべぇ?」
「シャーマンの野郎、来月付けで魔王様の四天王に昇格だってよ」
「何じゃてっ!」
ジャムの体がハリネズミのように尖った。
「あいつ、ただ岸壁で昼寝してるだけだぜ。よっぽどの物好きか、道を急いでいる冒険者しか海は渡らねぇからなぁ、倒される回数も少ないし成績が上がるのも無理はねぇ」
「だけんども、そんなレベルで四天王に成れたとしても、レベルが上がった冒険者にコテンパンにされちまうだけだべぇ」
「そうだなぁ」
コボルトは大きく突き出た腹を掻いた。
「なぁ、聞いたか?」
そう言ったのは、またもコボルトだ。
「アホの国王がよぉ、転職でクラスチェンジできるレベルを引き下げたらしいんだわ」
「それならワシも聞いたぞ。しかし、相変わらず『勇者』の志望倍率が高いらしいだべぇ」
「不況だからなぁ……」
てな事を話していると、砂利道の果てから、四人の人間が向かって来た。
「ほら来た」
しゃくれた顎を突き出すコボルト。
「新人だべぇな」
肌の色を褐色へと変えてゆくジャム
「これが俺たちの仕事だ。冒険者を調子付かせて、後に待ってるモンスターに返り討ちに会わせる」
「んだぁ、それがワシらに与えられた仕事だべぇ」
「じゃぁ、行きますか」
「んだぁ」
――モンスターが現れた――
「冒険者1の攻撃……コボルトに2のダメージ」
「冒険者2の攻撃……コボルトに3のダメージ」
「冒険者3の攻撃……ジャムに4のダメージ」
「冒険者4の攻撃……ジャムに1のダメージ」
「コボルトの攻撃……冒険者1に3のダメージ」
「ジャムの攻撃……冒険者3に1のダメージ」
「冒険者1の会心の一撃! コボルトに15のダメージ」
「コボルトを倒した」
「冒険者2は バーンを唱えた……ジャムに23のダメージ」
「ジャムを倒した」
「モンスターを退治した」
げーむおーばー
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