1197人が本棚に入れています
本棚に追加
「要るものがあれば言ってくれ。1日で用意する」
そう言うと柳瀬は神奈の顎に手をかけ上を向かせ、神奈の唇にキスをした。
「タバコくさいよ」
「吸ったあとだからな」
キスはさらに深くなっていく。
「すみませーん。これ下さい」
二人の間に流れていた空気が一瞬にして弾ける。
「はーい。ご自宅用ですか」
客に尋ねながら、柳瀬はのれんをかき分け店の方に戻っていく。
ここは『やなぎ』という名の小さな和菓子屋だ。
最初のコメントを投稿しよう!