【49.初恋が実る瞬間(とき)】

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「安心して……彼女は違う」 「違う?」 「あれは……彼女は腹違いの妹だ」 「っ!?いもうとーー!?」  い、いもうと……妹……妹かぁ。  ま、まさか、そんなオチだったなんて、夢にも思わないし。  つうか、す、凄く恥ずかしい……早とちりもいい所じゃん。  うわ~うわ~、あたしのばかーーー!! 「そっか…まさか、あんな所を見られているとは思わなかったよ。でも、彼女は正真正銘の俺の妹で、アイツも内藤の家で色々立場が大変なんだ。それで相談に乗ってたんだけど……」  馨は言葉を一旦切って、あたしの頬に左手をそっと伸ばしてきた。 「ちょっと不謹慎かもしれないけど、君がヤキモチ妬いてるって知って、正直すげーー嬉しい」  満面の笑みで馨はあたしの頬を何度も撫でた。  その微笑を見て、心の底からじわじわと暖かい物がこみ上げてくる。  この微笑をもう一度見たかった。  その、綺麗な薄茶色の瞳……あの初めて会った時と変わらない、綺麗な双眸。 「馨ちゃん……あたし、馨ちゃんに謝らなきゃなんない事がいっぱいあるんだ」 「え?」 「まず、馨ちゃんに黙って高島の家から出て行った事。約束してたのに、ごめんね」 「ああ……もう、いいんだその事は」 「あと…」 「ん?まだあるの?」 「うん……あのね、呆れないんで欲しいんだけど」  一旦言葉を切り、グッと両手に力を込めて覚悟を決める。
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