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高校時代何もかもが中途半端だった。
中高一貫の進学校に入りエスカレーター式で苦もなく高校に進学した。
勉強の成績は下から数えた方が早かった。
周りはエリートだらけ。
さしたる才能もなければ努力も怠る。
自然と落ち零れていく。
落ち零れていった人間には方程式があるのか悪い道へ入っていくことになる。
私が10代の頃はまだ暴走族が栄えていた。
夜な夜な暴走行為をしては喧嘩に明け暮れる。
エリートばかりがいる学校の中で私は一際浮いていた。
当然学校や生徒の親達からは煙たがられた。
アウトローに惹かれ言い寄ってくる女はいたが、私という人間に惹かれて言い寄ってきた女はいなかった。
ただ1人ユカを除いては。
ユカは学校の中では平凡な学生だった。
特別可愛いという程でもなく、特別頭が良いというわけでもなく、特別性格が良いというわけでもなかった。
ただ分け隔てない子であった。
私に対しても周りに対しても分け隔てなく接してくる希少な子。
接点が隣の席の同級生以外無い子だったが、ある時一緒に男3人女2人でカラオケに行く事になった。
連れが女友達を作りたかった為の紹介といったところだ。
そこでちょっとした事件が起こった。
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