火刑

3/10
前へ
/223ページ
次へ
「ねぇっ! ちょっとそちらのナイスでスマートなジェントルメン?」 僕は、目の前にいるヤツに話しかけた。僕が思い付く限りの尊敬語(?)で。 本当は話しかける事すらしたくない。 なぜなら目の前のにいるヤツは……肌が緑で、背中に黒い羽が付いているという、頭がおかしい格好をしているからだ。 「こ、コスプレですか?? 凄いですねその羽! ままままるで本物……!」 あまりにも精巧なその作りに、本物かもしれないとか思い浮かぶけど、そんな心の声は無視して誉める。 誉めたら気分よくして止めてくれるかもしれない。 けれども、そんなの聞こえないとばかりに僕の方へと松明を持ってくる。 「ちょ……だめぇっ!やめて、お願いこないでっ!」 可愛くいってみるも反応なし。 僕と松明の距離は、残り2、3メートル程までに迫っていた。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1295人が本棚に入れています
本棚に追加