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「俺は……人を……人を殺した」
男はそう呟くとパソコンに文字を打ち込むのを止めた。
しばらくそのままパソコンに映し出された画面を見つめると口元を吊り上げた。
「ふっ……皮肉なものだな人間も」
男はそう呟くと椅子を回転させた。
そこから見えるのは荒らされた本や服、血塗られ引き裂かれた壁、ギィギィと鳴る扉、そしてグタリと横たわる朱い女。
「人を殺したなんて誰も信じてくれない」
男は独りでに語りかける。
「目に見えるまで信じない。そういうもんだよ人間は」
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