左手

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――ジリリリリリ 目を覚ますと聴こえてくるのは悪い音。 「ったく……ろくな目覚まし時計じゃねぇな」 再び目を瞑ってそのまま右手を上へと差し伸ばす。 すると時計に手が当たるはずなんだが……。 「え?ない?」 感触が伝わってくるのは空気ばかり。 そこで俺は目を開く。 「しまった……また寝てしまったのか」 ベッドに寝ている筈がリビングで仰向けに寝ていたのだ。 もうこんな調子が何回あったことか。 まともに寝られないとは情けない。
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