息抜き

4/6
前へ
/209ページ
次へ
講義が始まり、いつものようにボーッと話を聞く。 中村も隣に座り、同じようにボーッとしている。 「……」 僕はルーズリーフに、ボールペンで “バスケ好きか?” と書いた。 それを見た中村は少しだけ驚いて、なにかを書いた。 “モチ!” もちろん……か。 バスケ好きじゃないと、大学までしないよな。 フゥ、とまたため息をついて、窓の外を見る。 ……桜が咲いてる……。 気づかなかった。 もう……そんな時期か。 あんなに大好きだった桜にも気づけない。 今までそんなことなかったのに。 桜の時期になれば、自然と麻樹を思い出していたのに。 すごくそれが悔しくて、僕は机に伏せた。
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5367人が本棚に入れています
本棚に追加