第1章 1年前 

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あの後 初めて、ひとりでクリスマスを過ごした。 初めて、ひとりで正月を過ごした。 そして、飲まず食わずの生活が続いた。何を食べても味がしない。喉も渇かない。 ただ、部屋に閉じこもり、ボーッと過ごす毎日。 タクや千鶴も心配して家に来た。 だけど、誰もひと言も「学校に来い」だなんて言わなかったんだ。 僕のおふくろもおやじも、言わなかった。 僕は夜になると麻樹の幻覚をよく見ていた。 僕のベットの上に麻樹がちょこん、と座っている姿を。 その麻樹は少しだけ悲しそうに笑っていつも同じことを言った。 「優ちゃん。優ちゃんが幸せじゃなきゃ、私も幸せにはなれないよ……?」 と。その言葉だけを残して消える。 なんで……? 部屋にひとりの僕はどうやって幸せになるのかなんて、まったくわからなかった。 幸せになる方法なんて、忘れていたんだ。 何もかもどうでもいい。 麻樹がいない世界なんて、どうでも良かったんだ……。
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