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桃から貞子のようにズブズブと這い出してきた男の子は貞子ではなく桃太郎と名付けられ、吾兵衛さんとお清さんに大切に育てられました。
その後桃太郎はスクスク成長しましたが、それにつれて二人は心配になってきました。突然得体の知れない男児を引き取ったために、彼が成長するごとに家計が圧迫され、年金ではギリギリになってしまったのです。そこで二人は一計を案じました。
翌朝、吾兵衛さんは新聞を広げ言いました。「また鬼か…怖ぇな!あー鬼怖ぇなぁ!!」…棒読みでした。すると桃太郎は「鬼とかマジブッコロやし!俺なら楽勝(笑)」と言いました。待ってましたとばかりにお清さんがそれっぽい衣装を着せると「辛いと思うけど…ガンバルンバ!」と言いました。桃太郎はガンバルンバについての言及と冗談だという弁明を試みましたが、二人のマシンガントークに口を挟めませんでした。
こうして桃太郎は鬼退治に出かけることになり、お清さんはご近所の方に追い出したと誤解されないようにきび団子を持たせました。吾兵衛さんは「達者でな」と言っていましたが、内心は「恨むなら国家を恨め」でした。桃太郎はこの時、勢いで軽はずみな事を言うのは止めようと思いました。
こうして桃太郎の旅は始まったのです。…
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