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仰々しい衣装姿にナマクラ刀ときび団子を持って旅に出た桃太郎。
後悔と自責の念に襲われながら歩いていると、道ばたにダンボール箱が見えてきました。中を覗くとそこにはつぶらな目をしたチワワが居ました。「お前も俺と一緒だな…」桃太郎は家を追われたチワワを自分と重ね合わせました。
そして我が家と育ての親を思い出し感慨深そうにため息をつき、ふと懐かしげに我が家の方角を振り返りました。…30㍍先に我が家と育ての親のハイタッチが見えました。桃太郎は何も言わず視線を戻しチワワにきび団子をあげると、再び歩き出しました。チワワはきび団子をしきりに嗅ぎ、結局気に入らなかったのか食べませんでした。
しかしチワワは何か通じるものを感じたのか、ダンボール箱から飛び出して桃太郎に従って行きました。こうして出発から30㍍にしてチワワという仲間を見つけた桃太郎は、「必ず鬼を倒してこの腐った世を変えなければ」と決意を新たに旅を続けるのでした。…
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