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紀伊國屋兼太郎、略して「キノカネ」だから、周りの猫たちは、彼をそう呼び、恐れている。
その、キノカネがダラダラと歩いてると、少女が一人いることに気がついた。
ん?こんな時間になんで人間の子供が道にいるんだ?
それもそうだ、時間は午前10時。学生ならば、学校にいっている時間だ。
キノカネは興味を抱き、そっと近付き話しかけた。
おい、人間の子供の女。
なぜ、ここにいる?
学校とやらにいる時間じゃないのか?
猫がしゃべる
やや、間があき、少女がびっくりする。
猫がしゃべったから?
えっ?えっ?今話したのはあなた?
踏ん反り返るような姿勢でキノカネは言う
そうだ、私だ。何か変か?
私はお前たちの世界でいう、猫又だ。知能、能力、寿命など、お前たち人間をはるかにこえた存在だ。
まあ、お前がびっくりするのも無理はない、私が人に話しかけることは滅多にない。
そこまで言って、キノカネは少女の異変に気づく。
ん?なぜ怯えない?怖くないのか?
少女は「ニコリ」と笑い、キノカネに話しかける。
怖くない、もっと怖いのは、私のそばにいるから。
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