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事務所と呼ばれている、その場所は、よく、ドキュメンタリーなんかで見る、そのままの感じだった。
雑然とし、あちらこちらにファックスなのか、コピー用紙なのか、よくわからないが、散乱していて、ベニア板で作られているであろう壁にも何やら、色々とはりだされていた。
その中に机が一つ、机の上にはパソコンが一台。
ここで、ようやく、万引き犯だと扱われているのだと確信した。
なおも、強い力で腕を掴むおばさん。
痛いし、何もしてないし、逃げないから、放してくれ。
とは思ったものの、鬼のような形相と、あの捲し立てられたときのY形弁が頭に残り、何も言えなかった。
それから、何分たっただろう。
責任者?店長?らしき人が現れ、一言、『ここでは従業員の出入りもあるし、いつもの所へ』と、おばさんに告げた。
そして、腕を捕まれたまま、『いつもの所』へやらに、連れていかれた。
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