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初恋のひと シオンside
俺は、よく同じ夢を見る。
ずっと好きだった。
名前は何だったかな?
名前が思い出せない…。
女の子は
きっと同い年だと思う。
小学校低学年の時だった。
俺は自分でいうのも何だけど、昔からモテていた。
いつもシオン君、シオン君って女の子たちに呼ばれ遊びに誘われ告白され…
だから自分も調子に乗っていた。
そんなある日
転入生のあの子に出会った。
サラサラのロングの黒髪に吸い込まれそうな黒い目。
一瞬で好きになった。
俺だけじゃない。
クラスの奴らの半分以上…いや、全員が彼女に一目惚れしただろう。
彼女は、俺の隣になった。
「よろしくね♪」
俺は、いつも女の子がキャーッと言ってくれる最高の笑顔で言ったのに彼女は…
「よろしく。」
とだけ素っ気なく言って席についた。
カァッとなった。
初めてだった。
俺に興味を持たない女の子は。
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