出撃

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人類が、その生存圏を宇宙に広げるようになって既に7世紀。 人類発祥の地である地球に住む人々と、更なる発展を求めて宇宙に移り住んだ人々との意識の違いから数多の悲劇が繰り返されてきた。それでも、悲劇を乗り越え人々は平和な時間を手に入れることに成功した。しかし、それは“束の間の夢”でしかなかった。 “乗り出す者”と“すがりつく者” 両者の溝が埋めがたくなった時、また悲劇の幕が上がる……。 ━━━━━━━━━━━ U.C.678 3月5日 金星圏プラネットオークス軌道ステーション[ポモルニク] 軌道ステーションとは言え、外観はコロニーを小さくしたような形状をしており、中央部に回転して0.8Gの重力を発生させる遠心ブロックを持ち、そこから4方向に円筒型居住筒が突き出ている。前後には、シャトルや貨物船の発着が出来るドッキングベイが大きな口を開けている。 その「ポモルニク」の遠心ブロック居住筒にある士官室の窓から、二人の男が外を眺めていた。 外は漆黒の宇宙。その宇宙に浮かぶ大小の宇宙艦の間を、シャトルが慌ただしく行き来していた。時間は、地球グリニッジ標準時で午前4時。この部屋から見えるだけでも、50隻以上の艦がいる。
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