派閥の誕生

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………………帰りの会が終わり、いよいよ放課後。担任の女教師が教室を出るとマサフミはタカヒロ・イクミ・アキラ・ケンイチ・マサミチ・ヒデタカ 達に声を掛けた。『解ってると思うけど、ユウスケの態度が気に入らない。あいつは、俺が嫌いなのを知ってて意味も解らず入れてきた』くだらない…。多分、此処にいる全員がそう思った。次の瞬間【俺、塾があるから先に帰るわ】ヒデタカはそう言うとランドセルに教科書を仕舞い始めた。『お前は、敵な』マサフミは冷たく言い放ち、ハイハイといった感じでヒデタカは教室を後にした。『アキラはどっちにつくんだ?』マサフミは真剣な表情で聞いてきた。…………『マサフミ側につく』正直、どちらでも良かった。ただ、気に掛けてやったのにユウスケに言われた一言が妙にムカついた事を思いだし、そう告げた。ケンイチも『あいつ、最近何かとムカつくよな』相づちを求める様にアキラに向かって言うと、【何か理由があるんじゃない】とマサミチは呟いた。『理由?あったら教えてくれよ』間髪入れずにマサフミは聞き返した。…沈黙がその場を支配したが、やがてイクミが『結局、マサミチは敵なの?味方なの?』マサミチはうつむきながら【そんなの、解らないよ】そう言うとランドセルを片手に教室を飛び出して行った。
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