第二章

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  「これ聴いて」って差し出されるイヤホン   「うんー」って言いながらも 彼女には近寄れない   「聞いてる?」なんて 卑屈な言葉をかけられても やっぱり君には近づきたくない   いや、近づけない   30センチ そんなもんだろうか その距離まで君に近づけば 僕は汚い事を考えてしまう   元々彼女は可愛いやつなんだ   あの時も泣きそうな笑顔で 「ありがとう」って言った その顔が愛おしいくてたまらなかった   60センチ そんなもんだろうか 君と僕の少しの距離 手の届くこの距離で バレてしまうだろう僕の気持ち   “君に触れたいんだ”
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