1人が本棚に入れています
本棚に追加
戦ったのか?
幸せな日々の終わりはあっけなくやってきた。7月の終わり頃に、仕事が終わって久留間と飲みに行った。行きつけの居酒屋に行き、いつもの酒を注文し、飲んだ瞬間に
「俺、好きな女ができた」と久留間の口から聞いた。瞬間的にかおりのことだろうな、と気づき、「俺はかおりと付き合っている」と言おうとしたその時に「かおりに彼氏がいるかと聞いたら、いないと言った」
と信じられないセリフを聞いた。確かに、俺は久留間にかおりと付き合っていることを言っていなかった。別に言う必要を感じなかったからだ。しかし、かおりが彼氏がいないと言ったというのはどういうことか、俺とは付き合っていると思っていないのか。久留間は明らかに俺がかおりのことを好きだとわかっているはずだ。
この後に俺が何と言ったか覚えていない。酔っていたのは確かだが、それよりも敗北感のような思いが強かった。
敗北感に打ちひしがれている俺に、翌日さらに追い打ちをかけるような出来事が起こる。
最初のコメントを投稿しよう!