奮闘

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奮闘

このメンバーで飲みにいった理由は、久留間は6人兄弟の末っ子で長男、つまり上の5人が姉であるのだが、その内の2人が障害者なのだ。かおりと話が合うかな、という軽い気持ちだった。それに楽しいだろうな、と。実際にかなり楽しかった。途中までは。 その内にかおりと久留間の姉の障害について話が出た。俺は、話に加われずもう1人の女の子と話していたが話の内容が気になって仕方がなく、ドラマにでてくる情けない脇役のような気分だった。久留間は、いつもそうであるようにかおりに対してもはっきりと言った。 「兄弟に障害者がいるからと、自分が可哀想だと思っているのか?それとも障害者の姉を可哀想だと思っているのか?」 決して甘いことはいわない。 「それは間違っていると思うが、それでも姉が可哀想だと思うのなら何か行動しなければいけないのではないか」というような意味のことを言っていた。
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