1人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
かおりが帰ってきて、一緒に部屋に入る。かおりは笑ったような泣いているような顔をしている。
「飲んでるのか?」
「ちょっとね」
一言話しただけで、もう会話がとぎれる。
どれぐらい沈黙が続いたか
「怒ってる?」というかおりの言葉に
「いや」と言うと
「でも怒ってるように見える」と泣きそうな顔で言う。
「昨日、久留間さんと話してどうだった?俺は後悔してるよ」
「あまり酔っていて覚えていないの」むろんこれはウソだろう。俺に気を使っているのだろうが、逆効果にしかならない。嫉妬心が激しく、怒鳴りたいくらいだったが
「俺は、久留間さんを尊敬しているし、一番の友達だとも思っている。昨日の二人の会話は、全部聞いた訳ではないけど、なんとなく理解できた。はっきり言うと、俺にはあんなことをかおりに言ってやれない。昨日、何も言えなかったことを後悔しているよ」
最初のコメントを投稿しよう!