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お世辞にも広いとは言えない廊下を通り、キッチン兼居間にたどり着く。
キッチンではさっきの子、もとい麗が料理を作っていた。
茶色の髪が肩までかかっていい香りがする。
ウチの学校指定のセーラー服に身を包み、その上からエプロンをつけるという微妙にエロスな格好だ。
「あ♪おはよ♪なっちゃん♪」
麗は振り向きながらすごく可愛らしい笑顔を振り撒いていた。
「君はあくまでもそのキャラを通したいんだな……」
俺は半ば飽きれ気味に麗の際どい長さのスカートに目をやった。
いや、これは不可抗力というものでだな。
「この見た目で声が男じゃ引くでしょ♪」
その顔でウィンクされてこういう感情を抱かない男はいないはずだ………。
「……好きだ!!」
俺は麗の肩をつかんだ。
男ならわかるだろう?
この気持ち……。
「ち、ちょっと、やめてよ~」
麗は顔を赤らめながらも下から見上げる形で俺を見た。
やばい!! これはやばい!! 神よ!これはいけるとこまでいけということでいいんですね!?
「うおおぉぉ!!」
「やめろっつってんだよ!!」
勢いよく抱き締めようとすると顔に似合わない男っぽい声で怒鳴られた。
くっ!! なんかすごく現実に戻ってきた感が!
「も、もうやめてよ~」
麗は思い出したように口調を変えた。
「だ、大丈夫、もう帰ってきたから」
うん、きっと大丈夫……………。
「朝ごはんもう少し待っててね♪」
…………可愛いな。
「…………うん」
って、いかんいかん。
これ以上はいろんな意味で目の毒だ。
これ以上見続けたら越えてはいけない一線を越えてしまう気がするっ!
「って、今日は日曜か」
つい何時も通りの時間に起きちゃったよ。
「え~今さら~♪」
と、笑顔を振り撒く麗。
「うんそうだね♪《ドスッ》…………あれ?なんかみぞおち辺りが痛いよ?」
「気のせい気のせい♪」
どうみても麗の右手がみぞおちにクリーンヒットしてるように見えるんだけどな~。
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