第五章 そして王女は騎士となる

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するとどこから飛んできたのか、黒いカラスがバルコニーの手すりの上に舞い降りてエルをじっと見上げた。 「おはようございます。」 エルがふざけて声をかけるとカラスは首をかしげてからエルの腕に飛び乗った。 「痛い。」 顔をしかめてもカラスは平然としている。 「カァ」 そして肩の上へ登ってくると翼をバタつかせた。 「ずいぶん人に慣れたカラスだな~」 エルは驚きも怯えもせずに好きなようにさせていた。 カラスはエルの肩ぐらいまでしかない黒髪をくちばしで引っ張るとまた手すりへ降り立ち、一声鳴くと飛んで行ってしまった。 その姿を見送ってから部屋の中へ戻り着替えをすませると廊下へ出てみた。
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