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さらに話を聞こうとエルが身を乗り出した時、見慣れた小柄な男が列から離れ、二人に近づいた。
「ギル隊長、姫君がエルディア嬢に用があるそうっすよ。」
「ほら、姫がお呼びだそうだよ。」
エルはチラチラと振り返りながら隊列の中央へ馬を進めた。
「隊長、あの女の子は一体誰なんすか?腕っぷしは強いし身のこなしもただ者じゃねー。それにあんな真夜中みたいな黒髪みたことねーっすよ。」
「お前も聞いただろニルス。カシュア家当主のお嬢さんさ」
「いいや、俺はだまされませんよ。あの子がただのお嬢さんなわけないっす。」
「勝手に言ってろ。」
(まぁ私もエルディアがただ者だとは思わないがな。)
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