第四章 フレッシャー王国

22/29
前へ
/844ページ
次へ
さらに話を聞こうとエルが身を乗り出した時、見慣れた小柄な男が列から離れ、二人に近づいた。 「ギル隊長、姫君がエルディア嬢に用があるそうっすよ。」 「ほら、姫がお呼びだそうだよ。」 エルはチラチラと振り返りながら隊列の中央へ馬を進めた。 「隊長、あの女の子は一体誰なんすか?腕っぷしは強いし身のこなしもただ者じゃねー。それにあんな真夜中みたいな黒髪みたことねーっすよ。」 「お前も聞いただろニルス。カシュア家当主のお嬢さんさ」 「いいや、俺はだまされませんよ。あの子がただのお嬢さんなわけないっす。」 「勝手に言ってろ。」 (まぁ私もエルディアがただ者だとは思わないがな。)
/844ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4125人が本棚に入れています
本棚に追加