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一着目はクリーム色のシャツに紺のベスト、胸元にフレッシャー王国の紋章が金糸で刺繍されていて、裏地はクリーム色、表は深い青のマント。紺のズボンに黒のブーツという出で立ちだ。
着替えに衝立の後ろに入った時はシシーとサラしかいなかったが、出てくるとサラが二人立っていた。
「マントがあると緊急時に動きずらいのですが…」
着替えたエルが気にも留めずブツブツいいながらマントを引っ張る。
「マントは儀式用よ。普段は身に付けなくてもいいわ。」
姫は細部までよく観察するようにエルの周りをぐるぐるまわりながら言う。
「すごく似合ってるけど、やっぱり少し地味ね。」
「シャツですと腕に怪我を負う確率が高くりますしね。」
「でもその分軽い素材だから腕を動かしやすいですわ。」
三人が頭を寄せあって話し合うのを呆れたようにエルは眺めていた。
「ところで皆さん、もうこれを脱いでもいいですか?」
姫は顔をあげてエルを見つめた。
「エル、あなた驚かないのね。」
「気付いていました。」
エルはニッコリと二人のサラに微笑みかけた。
「姿形はそっくりでも雰囲気や話し方はずいぶんと違いますから。」
「ほら、サンが乱暴な話し方をするからよ。」
「ランののんびりした空気のせいでしょ。」
「もう一度きちんと紹介してくださいますか?」
エルの言葉に二人は互いをつつき合うのをやめた。
「この二人は見ての通り、双子なの。外見だけでは私も判断できないわ。少し口がきついのがお姉さんのサンディ。」
「率直と言っていただきたいですわ。」
「そして少しのんびり屋さんなのが妹のランディ」
「昨夜、お話いたしましたわね。」
ニコニコと微笑む二人は髪の色はもちろん。背丈から体つきまで呆れるほどそっくりだ。
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