第五章 そして王女は騎士となる

23/26
前へ
/844ページ
次へ
「それで出発は明日なのですね。」 「ええ、離宮へは2日がかりでいくの。あなたの荷物は先に向かっているはずよ。」 そう話す中シシーの方へ双子のランディの方が駆け寄ってきた。 「シシー様。陛下がおよびです。謁見の間ではなく陛下の自室へいらっしゃるようにと…」 シシーはすぐにうなずきエルたちに手をふってランディに連れて行かれた。 エルは風のようにとらえることができずにいるシシーを見て、きちんと役目をこなせるかどうか心配になってきた。 「行かなくていいのか?」 「仕事は明日からと言われているのです。」 ギルを見上げながら答えると、彼は何故か目をそらしながら笑った。 「なぜ突然、敬語になるんだ?」 「ケジメです。一応さっき騎士に任命されましたので、あなたは私の上司です。」 ギルは困ったように顔をしかめた。
/844ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4125人が本棚に入れています
本棚に追加