第五章 そして王女は騎士となる

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「どこであんな美人を見つけてきたんだ。」 「しかも母様が憧れてやまない、亡きリディア・メル・ラグスト様にそっくりな子だわ。」 興奮気味の両親にシシーは満足気だ。 「疑っているわけではないが、彼女は本当に…?」 父の言葉に黙ってうなずきながらシシーは部屋の中をぐるりと見回した。その様子を見て今まで黙っていた兄が 「大丈夫だ。守りの術がかかっているのは確認した。」 と伝える。 「ありがとう。お兄様。」 にっこりと微笑んだシシーに両親は 「それで、それで」 と話を促す。 「確かに彼女はラグスト王国、王家の唯一の生き残りです。」 彼女の言葉を聞き、両親は満足そうにため息をついた。 「探し回ったかいがあったな。」 「貴女の能力のたまものね。ありがとう。シンシア。」 立ち上がってシンシアを抱きしめる。
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