第六章 東の離宮

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ギルが再び口を開いた時、エルの部屋からサラの呼び声が聞こえてきた。 「もう、またいらっしゃらないわ。エルディアさま~エルディアさま~」 「ほら、呼んでるよ。」 ギルは小さな声で自分の部屋の出口を教えようとしたがエルは全く動じずにバルコニーの手すりから身を乗り出してサラに答えた。 「おはようサラ。ここにいるわ。すぐに戻るから。」 エルの声を聞いてサラはバルコニーへと飛び出してきた。 「ま、まぁエルディア様。そちらで何をなさっているんですの?!」 ニコニコと手をふっている彼女をみてギルは頭を抱え込んだ。
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