第一章 崩された王国

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カルティスたちが城に戻ってきて一月ほどたち、城は日頃の落ち着きを取り戻し始めた。 ただ一人、カロフだけは相変わらずのサラに慣れることができずにいた。 「もうリディア様が帰ってきているのですから本来の仕事にお戻りなさい。」 とカロフが珍しく強い口調で言っても 「本来の仕事もちゃんとこなしていますわ。それ以外の空いた時間に私がなにをしていようと私の自由だとリディア様はおっしゃってくださいました。」 と一歩も引かない態度だ。カルティスはそんな二人を面白そうに眺めながら 「サラ嬢も生まれてくるのが20年遅かったな」 と言って笑っていた。
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