第六章 東の離宮

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「何やら楽しそうですわね。シシー様。」 シシーの横に座ったランディがうれしそうに尋ねた。 「外れたネジを見つけたわ。あとは歯車に戻すだけ。全てが狂うその前に。」 シシーの言葉にランディは不思議そうに首をかしげた。 カラカラ、カラカラ。馬車は楽しそうなリズムを刻みながら進んでいく。その横をエルが複雑そうな顔をしながら馬を進めている。 シシーはその姿をこっそりとカーテンのすき間から覗き見てはクスクスと笑った。
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