第六章 東の離宮

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「暗いわね。」 突然、声をかけられてエルは飛び上がらんばかりに驚いた。 「セ、セシリアさん。」 いつの間に隣に来ていたのか、同じ隊に所属するセシリアが刺すような視線をあびせていた。 「セスで良いって言ったわ。」 「私はエルと呼ばれています。」 セスは黙ってうなずいてから真っ直ぐに前を向いて馬を進める。 エルも彼女に習って口をつぐみ、前を見据えたが、なぜ彼女が自分の隣にやってきたのかが分からず困惑していた。
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