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「いい馬ね。あなたの?」
セスはふいにウィンのたてがみに手をのばし優しくなでた。エルはようやく彼女が隣にやってきた訳がわかりホッとした。ウィンなのだもちろん。
「実家の近くにいた友人の家で生まれたのを母が私にと引き取ったんです。」
セスはうなずきながらも目はウィンに向けられたままだ。
「私たちの班は…」
視線を変えずに思い出したようにつむぎだされた言葉は必死にさりげなさを装っているようだ。
「私たち十七班は個人の護衛についている人ばかりで、他の班よりも結束に欠けると思われてるらしいわ。でもそんなのは一部しか見えていないばかだけ。」
フンッと鼻をならした。まるでそう思っているのがエルだとでもいうように。
「皆それぞれの職務をこなしながらきちんと信頼関係を築いてるの。だからあなたもその気があるのなら私たちの班の一員だということを意識してほしいのよ。」
「はい。もちろんです。」
エルは自然と背筋を正しながら答えた。
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