第六章 東の離宮

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「きいていらっしゃるかもしれませんが私はカシュア家の養女なんです。産みの母は私を産んですぐに亡くなったそうで彼女の親友だった母が引き取って育ててくれました。」 「知らなかったわ…」 アメリアの顔がくもったのを見てエルは慌てた。 「でもとても大切にされていました。何しろ七歳になるまで家の敷地から外へ出たことがなかったぐらいです。」 「まぁ、それは珍しいわね。」 「そうなんです。勉強や習い事も全て家でやっていたので。七歳の時に母が連れてきてくれた遊び相手の少年に連れ出されなかったらもっと長く外へ出なかったかもしれません。」
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