第六章 東の離宮

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「わぁ。」 つい口を出たため息のような感嘆にシシーと夫人が顔を見合わせてにっこりするのが見えた。 騎士の制服に身を包んだ彼はまだ少年っぽい顔つきを残したままじっとこちらを見つめている。そのまなざしは先程よりはいくぶん暗さが薄らいでいた。腰にはフレッシャー王国の紋である金のユリとつる草が彫りこまれた長剣をさし、左手がその柄にかけられている。 画面いっぱいに描かれたすらりとした彼の姿は今にも動きだしそうなほど鮮明に描かれている。
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