第一章 崩された王国

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「リディア様のお兄様亡き後、ロイド王国の国王には叔父君のサイモン様が名乗りをあげられました。 元老院のものたちも買収されたのか多くのものが賛成に回り、サイモン様が次期国王陛下ということに…」 「ばかな、王位継承の順で行けば第一王女のミリア様が女王陛下となるはずだ。」 「時悪く、ミリア様は今、この地の裏側にあるほど離れた国に視察へ行っておられます。 例え急ぎ知らせてかけもどっていらしても…」 「すでに新体制が出来上がっているというわけか。元老院が味方についているのではな。」 「それだけではないんです!サイモン様は昔からリディア様にしつこく付きまとっていて… この婚姻もカルティス様が無理やり嘘の婚約書を作り上げてリディア様をさらっていったのだとおっしゃって。 姫様、いえお妃様を幽閉して帰れないようにしようとなさったのです。 幸いロイドに残っていた味方のメイド長が私達に逃げるよう教えてくれたので一足早く逃げることができましたが、サイモン様は追っ手をだして執拗に追いかけてきました。 カルティス様の使者が後一歩遅ければ捕まるところでしたわ。」
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