第七章 沈めた記憶

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シシーに今夜の話を打ち明けるには昨日の晩の話から始めなければいけない。 そう思ってエルがシシーにカラスのことを打ち明けるとシシーは彼女が入れた紅茶を美味しそうに飲みながら 「そう、やっとね。」 と答えた。 「やっとって…シシー様知っているんですか?あのカラスを。」 期待を込めた質問にシシーは輝くような笑顔で 「知らない。」 と言い、身を乗り出していたエルは思わずのけぞった。 「そのカラスは知らないけど、そろそろエルの魔法関連の者があなたに会いにくるだろうとは思ってたわ。」 夜ふけに始まった二人のお茶会は空がピンクいろに染まり始めるまで続いた。
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