第七章 沈めた記憶

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肩にとまっていたカラスが飛び立っていくとエルは小さくため息をついた。 彼が自分になにをしたのかは分からないが最近起きているおかしな事の原因が彼にあることはわかっている。 毎晩見る夢はだんだんと古い思い出に近づいていき、今朝はサムにサンドラ達の言いなりになるなと叱られていた。 「まいちゃうな、これじゃ毎晩寝た気がしないよ。」 小さくつぶやいていると反対側からニコルが規則正しい足取りで近づいてきた。 「西塔異常なし。」 「東塔異常なし。」 報告しあってから肩を並べて歩きはじめた。
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