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「やれやれ、あふれかえっちまったか。」
暗闇から声が聞こえる。
「誰?」
やみくもに両手を前に突き出すが、その手も闇に飲み込まれていく。
バタバタと羽音がしてうでに固いものが乗る。
「うわっ!」
手を引っ込めると笑い声が聞こえた。
「もっとかわいらしい悲鳴は出せないのかね。俺だよ。俺。」
「俺って、言われても…」
「もっと目をこらして見ろ。闇はお前の得意分野なんだからな。」
エルは目を閉じたり開いたりしながら目をこらしてみた。
「やっぱり見えない。」
「スイッチを入れ替えろ。頭のスイッチを。ちゃんと覚えているはずだ。力の使い方を。」
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