第七章 沈めた記憶

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エルは首をかしげつつサーシャの後を追って走る。 息も乱さずに到着すると泉にはサーシャの姿がない。 「サーシャ?」 辺りを見回していると突然、両手にバケツをぶら下げた自分が目の前に現れた。 「うわ!」 驚いてしりもちをついたエルに目もくれず彼女はバケツに水を満たして行ってしまった。 「どうなってるの?」 呆然と自分の背中を見送っていると背後からガサガサと音がしてカロフが姿を現した。 「カロフ!よかった。私、何がなんだか分からなくて。 」 しかし彼もエルの姿が目に入らないようで、じっと遠くを見ている。
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