4125人が本棚に入れています
本棚に追加
「クロス、どうしよう。声が聞こえるの。
憎いって、王国を滅ぼした奴が憎いって。殺しに行こう、滅ぼしに行こう、我等の王国を取り戻そうって。苦しい、痛い、同じ目に遭わせてやる。
どうしよう…私もやらないといけないんだ。」
「聞くなエル!サラの言葉を思い出せ。お前は復讐のために生まれたわけじゃない。」
「でも…私は、」
「ダメだ!聞くんじゃない。」
兵士たちは今や二人と二羽を取り囲んでいる。
エルは震える少女を後ろから優しく抱きしめるようにした。
「彼らを解放しなさい。あなたには分かっているはず。そのやり方が思い出せるはず。」
しかし少女はうつむいて震えるばかりだ。エルが助けを求めるようにカラスを見ると彼女は黙ってうなずき、水柱の方を見るように促した。
最初のコメントを投稿しよう!