第七章 沈めた記憶

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「ただでさえ闇の魔力はリド一族の中でも嫌煙されがちだというのに…あなたはこの先つらい思いをすることもあるかもしれない。」 潤んだような黒い瞳に見つめられエルは言葉がでない。 「あなたに男の子の恰好をさせようと考えつかせたのも私です。サンドラは頭のいい女性で自分以外の考えが流れ込んでいることにうすうす気づいているようでしたが… サーシャがあなたと間違われて何度も誘拐されそうになって、あなたへの恨みを重ねていったのは私のせいです。」 クレアはそっとエルを胸に抱きしめた。 「でも。それは私を守ろうとしてやって下さったことなのでしょう?」 くぐもったエルの声にクレアはニッコリとほほえんだ。 「ええ、そしていつもあなたの側で守ってくれる人を送ったわ。クロス。」 彼女はエルを離すと遠くから二人を見守っていたカラスを呼んだ。 「ええ~まじかよ。」 カラスはクチバシをゆがめ、嫌そうにやってきた。 「今、話さずにいつ話すの?」 カラスは嫌そうにその辺りをうろうろしてからぱっと飛び上がり翼を大きく広げた。
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