第七章 沈めた記憶

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外は綺麗な星空で、枕元のロウソクがゆらゆらと揺れていた。 「何かお話して。」 口元まで布団をかぶせられたエルに優しく微笑みかけサラは枕元に座った。 「では、エルディアのお父様とお母様のお話をしましょう。」 短くなっていくロウソクに見守られながら聞いた物語。いや、物語などではなかった。後に調べたが全て本当のことだ。 「そうか…」 燃え盛る炎を見つめながらエルはつぶやいた。 「だから私は東の離宮が苦手なんだ。どこかでこの情景を覚えているから。」
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