プロローグ

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ラグスト王国は建国以来もっとも安定した時期に入っていた。 それもこれも国始まって以来の賢王といわれた先代の国王とその才能をあますことなく受け継いだカルティスのなせるわざと言えるだろう。 突然の病に伏した父の代わりにまだ少年と言っていい年から王の業務をこなしていたカルティスは忠実な信頼できる家臣たちの助けを借りつつ父親がそれまでに懸命に立て直し、新たに開拓したものまでその意思を裏切ることなく完成させ動かし始めた。 病に倒れた王はゆっくりと確実に動き始めた自分の理想国家に喜び、自分の息子を誇らしく思いながら静かに息を引き取った。        
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