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その頃、カルティスは庭園でロイド兵士と必死に戦っていた。左の肩と足に深い傷をおっていたが剣の動きはまだ鈍っていない。
「カルティス!」
騒がしい音の向こうからリディアの声が聞こえた気がしたが、カルティスはリディアは逃げ出していると信じて疑わなかった。
(リディアの身に何かあったのか!?)
思いながらも相手の攻撃を避けなければ、と思った時、突然相手が倒れた。
(味方の兵か?)
と思っていると倒れた兵の後ろからリディアが血のついた短剣を放り出して駆け寄ってきた。
「リディア!」
カルティスは優しく受け止めながらも驚きを隠せなかった。
「何故こんなところにいるんだ。早く逃げろ。」
「逃げる道がふさがってしまい、誰も逃げられません。」
リディアは相手の兵にわざと聞こえるよう大声で言った。
「リディア!」
ラグストの兵士の中から声がして金髪の男が一人前に進み出てきた。年はカルティスとたいして変わらないだろう。茶色い瞳は異常な光をもっていた。
「サイモン叔父様。」
リディアは抱きついていたカルティスから離れると前に立ちはだかりサイモンと向き合った。
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